« ★犬猫星理論☆ | トップページ | 黒猫 »

その名は

「だーかーらー!黒猫さん。
ここは子供もいるんだからそういう雑誌は控えてくださいよ」

戦争が始まってからも、少しの間は平和だった。
黒猫軍の中には老若男女、すべての人々が集まっていた。

自由な思想。人を守る思想。

そんな思想を持った由梨が黒猫となって、乱世を駆けた。

それはまだ、黒猫『篠原由梨』が生きてる頃の話______

「別にこれ、子供が読んでも大丈夫じゃないの?
大体これ、白が買ってきたんだよ?」

由梨が手にしてるのは『一から始める子供の拷問書』という物だった。

「子供ってついてるし、大丈夫じゃない?」

黒猫は気楽で、自由で、何にも縛られない生き方を選んだ。
本来は戦争なんて好まなかっただろう、でも、戦う事を拒まなかった。
由梨には間違いなく戦いの血が流れているのだろう。
戦うときに、元々猫のような瞳は、ことさらに丸くなった。

「はい、白。
面白かったよ」

そう言うと、さっき持っていた如何わしい書籍を白の手に渡した。

「狂、私はねぇ、革命だかなんだかして世界をうるさくしようとは思わないの。
だからってうるさい世界もきらいじゃない。そのうるさい世界の合間をぬって歩くのが私達猫だもの」

狂とは、さっき黒猫に本のことで注意した青年である。
由梨は、皆を平等に気に入っていた。

「みんな、私より早く死ぬんじゃないよ」

若い黒猫、その名は『篠原由梨』

|

« ★犬猫星理論☆ | トップページ | 黒猫 »

小説の気まぐれ読みきり」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ★犬猫星理論☆ | トップページ | 黒猫 »